鑑賞の仕方
こんなニュースがあった。
アイドルのライブでファンがかけ声を出す「オタ芸」のせいで演奏が聞こえなかったとして、観客の男性が主催者側に約100万円の損害賠償やライブのやり直しを求めた訴訟があり、大阪高裁は27日、訴えを退けた1審判決を支持し、男性の控訴を棄却した。田中敦裁判長は「音楽鑑賞の仕方はさまざまで、観客のかけ声は雰囲気を高揚させる側面もある」と指摘した。
アイドルのコンサートに行った事はないので、「オタ芸」なるものを、間近で見た事はないが、音楽鑑賞の仕方に関しては、原告男性と同じ様な心持ちである。
今までに幾度か、ライブや所謂夏フェスに行っているが、そこで似た様な経験がある。
ライブと言うのは、その瞬間しか見られない聴けないものである。
だから、それを遮るような行為であるモッシュやダイブなどはもってのほかだし、(気持ちは大いにわかるが)大声で歌う事や、手拍子も本当はやめて欲しいと思う。
でも、同じ金額を払ってその場にいるわけだし、そこに求めるものが各々違うのはわかっているから、我慢する。
もし、ライブに行ってウェーイ!!とか盛り上がってる人たちが、これを読んでいたら、少しだけでもこういう人種がいることも、心に留めておいて欲しい。
盛り上がるだけが、楽しむという事ではない。
ただ、数年前一度だけ手拍子をしてしまった事がある。
それは、アイスランドのポストロックバンドSigur Rosのライブに行った時で、彼らがHoppipollaという曲を演奏したのだが、その時の会場全体を包む幸福感にあてられてしまった。
一つ前の座席に、同世代くらいのカップルがいたのだが、曲のイントロが鳴った瞬間、彼女が彼氏の方を見て、嬉しそうに飛び跳ねていた。おそらく、彼女のお気に入りの曲だったのだろう。
彼氏の方は、彼女に連れられて来たような感じで、あまり反応は良くなかったが。笑
それを見て、複雑な気持ちを抱えながら、手拍子をした事を、未だに覚えている。