別れは突然にくるものです

2週間ほど前、69歳のパート社員が業務中にクモ膜下出血で倒れ、救急搬送されました。
グレード4と非常に重篤な状態で、2週間は予断を許さないということで、集中治療室にて経過観察となりました。

そして今日、ご家族から連絡があり、まだ一般病棟には移れないが、明日から体を起こすなどのリハビリを開始するという事でした。

これから大変なこともたくさんあるでしょうが、とにかく命が助かった事は不幸中の幸いでした。
この2週間、社員も普段通りに過ごしてはいましたが、心のうちでは皆心配していたので、とりあえずひと安心しました。

この方は、勤続年数が30年とずば抜けて長く、「長老」と呼ばれる事もありました。笑
とても温厚な方で、全員から親しまれていました。
若い頃は百科事典の販売をされていたそうで、歴史などの知識もかなり深く(ただ、本人は「正しいかどうかは保証しない」と言ってましたが)、空いた時間にはたくさん面白い話を聞かせてくれました。

そして、最近では毎週土曜日、定時までの空き時間に、その方を中心に若いパートや私も一緒になって、新聞に載っているクロスワードを解くことが習慣となっていました。

皆がそれぞれ頭をひねって、ワイワイ言いながら挑戦するのは、とても楽しかったです。
しかし、この方が居なくなってしまった今では、もうクロスワードをしようと言う者は居なくなりました。

私は8月に退職する事になっています。
それまでの間は、皆で変わらず楽しくやりながら(もちろん、仕事はしてます)過ごせると思っていたのですが、こんな形で突然に会えなくなってしまうとは、想像もしていませんでした。

最後にお世話になったお礼を言って、笑顔でお別れできると信じていたのですが、現実は突然変化してしまうものなのですね。
とても寂しいですが、ただ順調な回復をお祈りするだけです。