House Of Cards 【和訳】 / RADIOHEAD


内容に対する個人的な賛否は黙秘するとして…

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僕はきみの友達になりたいわけじゃない
恋人になりたいんだ
どんな始まりや終わりが待っていようと

カードの家のことは忘れて
僕もそうするから

崩れ落ちたカードは
テーブルの下にでも掃きいれておいてさ

きみはウンとは言わないだろうけど


瞬間的な過電圧が
基盤を崩壊させる

鍵をキーボウルに投げ入れて
旦那におやすみのキスをすればいい

そして
そんな脆いもののことは忘れて
僕もそうするから

崩れ去ったものは
目に入らないところに追いやってしまえばいい

「ダメだよ」ってきみは言うだろうけど
きっと耳まで赤く染まってるはずだ

「そんなこと出来ない」ってきみは言うだろうけど
そのことが頭から離れないはずだよ

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カードの家というのは、個人的にはこういうものを思い浮かべている。

おそらく、トランプタワーという呼び名が一般的だとは思うが、脆いもの=壊れやすい家庭の隠喩だろうと感じたので、直訳した。
トランプ=カードというのは日本独自の感覚でもあるようだし。

この詩を訳してみたいと思ったのは、「denial」という単語の捉え方に、かなりの幅があると感じたからだ。

登場する男女は、おそらくお互いに家庭持ちで、それにも関わらず惹かれあっている状態のように思える。
語り手である男性の家庭の様子は、この中では描かれていないのでわからないが、女性の家庭は少なくとも崩壊の兆しがあるのだろう。
ひょっとしたら、それはこの二人の関係に因るものなのかもしれない。
そして、その兆しに付け入るように、男性は女性に家庭のことを忘れるように告げる。
ここで「denial」が登場する。
そこで、これは女性側からの返答だと解釈した。
それを男性側の主観で訳すると、かなり意味が通りやすくなったように感じる。

Verse2
スパイクとは、落雷などにより瞬間的に高電圧の電流が流れることらしい。
そして、それにより基盤が損傷してしまう。
瞬間的な高圧電流が表すのは、男女間における何かしら勢いのついてしまった行いだろう。
知らんけど。
そして、基盤とはもちろん家庭のことである。

しかし、そんな崩壊した基盤の上でいつも通り過ごす女性に、男性はそのことを頭から追い出すように言う。
そして、女性も自らの「denial」に揺らぎを感じるようになっているのだろう。
言葉とは裏腹に…あとは語りたくもない内容なので割愛する。